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2011/06/30 2011年度京都大学CIAS共同研究会「地域研究方法論プロジェクト:ヒューマン・パワー時代の外交・安全保障の現場と地域研究」のご案内

2011年度京都大学CIAS共同研究会
「地域研究方法論プロジェクト:ヒューマン・パワー時代の外交・安全保障の現場と地域研究」のご案内

*参加を希望される方は、会場準備の都合上、6月28日(火)12:00までに川端(takashi.kawabata@gmail.com)までお名前とご所属をご連絡ください。

テーマ: 「日本外交と平和構築~マレーシアPKO訓練センターへの講師派遣~」

日時: 6月30日(木) 17:30~19:30

場所: 京都大学 東京オフィス(http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/tokyo-office/about/access.htm

背景:
 日本政府は、外交上の重点分野の平和構築の具体的な政策の一環として、4~6月、マレーシアのPKO訓練センターが行う軍民協力コースへ講師の派遣を行った。派遣された講師は、内閣府国際平和協力本部事務局の人道やジェンダーを専門とする国際平和協力員計3名であり、ワークショップの講師を担当した。
 マレーシアは、マラヤ連邦として独立して間もない1960年のコンゴPKOから人員派遣を行ってきており、積極的にPKOに貢献してきた国の一つである。クアラルンプールにあるPKO訓練センターは、1996年に設置され、各国のPKO要員の能力向上のためのセミナーやワークショップを多数開催してきた。また、同センターの活動は、マレーシア政府が推進する南南協力という要素も併せ持っている。
 現在の日本外交は、強力な外交ツールの一つである政府開発援助の予算が削減されており、選択と集中が迫られている。加えて、マレーシアのように発展が進んだ国に対しては、ODAの利用は一部の分野やスキームの適用に限られ、主要な外交カードとは言い難い状況にある。そのようななか、今回のPKO 訓練センターへの人員派遣は、対マレーシア外交の文脈で新たな展開を生み出す可能性があろう。また、国際安全保障の場において、日本は直接的な軍事力の行使への参加が現状では困難であるため、平和構築分野での積極的な貢献を目指してきた。今回の政策は、同分野におけるキャパシティビルディングへの顔の見える具体的な貢献の一つとして評価することもできよう。
 今回の研究会では、この政策立案にあたった外務省の担当官と現場に派遣された内閣府職員から実務経験に基づいた話題提供が行われる。そのうえで、東南アジア地域研究や人間の安全保障等を専門とする研究者の視点から、政策の分析・評価・提言を行い、最後は参加者も含めて外交実務と学術研究の発展的な連携のあり方を模索することを目的とする。

プログラム:
17:30~17:35 趣旨説明(川端隆史)
17:35~17:55 マレーシアPKO訓練センターへの講師派遣の政策的背景(外務省南東アジア第二課 清水和彦課長補佐)
17:55~18:35 現場報告(内閣府国際平和協力本部事務局 与那嶺涼子・佐藤美央国際平和協力員)
18:35~18:55 コメント(京大地域研プロジェクトのメンバー)
18:55~19:30 総合討論

参考資料:外務省プレスリリース
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/23/5/0527_03.html

主催: 2011年度京都大学地域研究統合情報センター共同利用・共同研究
   「地域研究方法論プロジェクト:ヒューマン・パワー時代の外交・安全保障の現場と地域研究」
   (代表:川端隆史)
共催: 日本マレーシア学会、日本マレー世界研究会