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2012/05/12 研究会「タイ洪水が映すタイ社会―災害対応から考える社会のかたち」

2011年のタイ洪水に関する研究会を以下のように開催します。関心のある方はどなたでも参加できます。

日時 2012年5月12日(土) 10:00-17:30
会場 京都大学稲盛財団記念館・大会議室
     アクセス:アクセスマップ
プログラム

10:00-10:15 開会・趣旨説明

10:15-11:50 第1セッション
報告1「工学的見地から考察する2011年洪水と政府対応」
星川圭介(京都大学地域研究統合情報センター)
報告2「土盛りと高床式住宅―バンコクの伝統的な洪水対策とその限界」
岩城考信(法政大学デザイン工学部・教育技術員/慶應義塾大学・非常勤講師)
コメント 柳澤雅之(京都大学地域研究統合情報センター)

1:10-1:50 第2セッション
報告1「残留か帰国か―2011年大洪水が外国人労働者に与えた影響」
竹口美久(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・博士課程)
コメント 清水展(京都大学東南アジア研究所)

2:00-3:30 第3セッション
報告1「2011年洪水とタイ政治」
玉田芳史(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
報告2「大洪水下のタイ政治」
水上祐二(チェンマイ大学)
コメント 林行夫(京都大学地域研究統合情報センター)

3:40-5:10 総合討論
討論者
河野泰之(京都大学東南アジア研究所)
弘末雅士(立教大学)
片岡樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
速水洋子(京都大学東南アジア研究所)

5:10-5:20 閉会

趣旨
災害とそれへの対応は、その地域社会のかたちを浮き彫りにする。災害は、その地域社会が被災前から抱えていた潜在的な課題を明らかにする。また、災害への 対応には、危機や困難をどのように受け止め、どのように対応するかというそれぞれの社会に固有の姿があらわれる。基本的に平常時の状況をもとに研究してい る地域研究者にとっては、災害時にあらわれる姿から地域のかたちをどのように捉えるかは知的な挑戦でもある。
2011年のタイ洪水は、流出した水量や被災者数、経済的損失額などの点でタイ国でも最大規模の災害だったといわれるだけでなく、日本企業が進出する工業 団地が広範囲に浸水したことが大きく報じられ、日本でも多くの人々の関心を集めた。他方で、タイではチャオプラヤ川の氾濫による大規模な洪水はこれまでに 何度も発生しており、バンコクもたびたび冠水した経験がある。大洪水に遭っても避難せず、冠水した市街地にとどまって日常生活を送っているバンコク市内の 人々の姿は、タイの人々が古くから洪水と共存してきた様子を印象付けた。
本ワークショップでは、まず3つのセッションにより、水管理やバンコクの洪水対策史における位置づけ、バンコク居住者の生活への影響、タイ政府の対応など の観点から2011年のタイ洪水の諸相を検討する。総合討論では、タイ社会や災害を直接の専門としない研究者を交えて、それぞれの専門の立場から、 2011年のタイ洪水を切り口に、タイの災害対応にあらわれるタイ社会のかたちについて考えたい。

主催
東南アジア学会関西例会
共催
地域研究コンソーシアム社会連携部会
京都大学地域研究統合情報センター「災害対応の地域研究」プロジェクト