主催:京都大学地域研究統合情報センター・地域情報学プロジェクト
科学研究費基盤(B)「実データ(史資料)に基づく海域アジア交流ネットワークの時空間分析」
(代表 柴山 守・地域研)
日時:平成25年1月12日(土) 14:30~16:30
場所:京都大学地域研究統合情報センター(京都大学稲盛財団記念館2階)213号セミナー室
京都市左京区川端通荒神橋東詰(京阪電車 神宮丸太町駅下車川端通を北へ徒歩5分)
アクセス:アクセスマップ
題目:
海域アジア交流ネットワークにおける台湾の先住民
「絶滅危機の民族の歴史:政府の移住政策と日月潭の観光産業」
話題提供:
満田弥生(台湾中央研究院民族学研究所)
話題提供者について:
専門は、台湾原住民、特にサオ族の研究であり、エスニシティ、シャマニズム、
サバルタン研究を主要な分野とする。
現在は災害人類学、歴史人類学の分野へと研究を広げている。
発表要旨:
日月潭は、清の時代から風光明媚な場所として有名であり、現在台湾随一の観光地である。
その湖畔に住むサオ族は、人口約700人と、台湾の先住民の中でももっとも数が少ないと
言われている民族であるが、彼らの民族の歴史は非常に興味深い。特に、日本統治時代、
他の先住民の多くが集団移住政策によって山間部から平地への移住を余儀なくされ、彼らの
生活環境や部落あるいは部族としての組織構成に大きな影響を与えたのに対し、サオ族の場合は
全く異なるコンテクストで「移住」が行われ、それが彼らの文化保存に役立っているといえる。
日本統治時代、サオ族はなぜそれほど「優遇」されていたのか、日月潭の観光産業との関わり
を含めて論じる。