2013年第1回地域研究談話会を下記の通りおこないます。本年度初回の談話会では、地域研究統合情報センター・研究員の山口哲由氏に話題提供していただきます。オープンな研究会ですので、興味のある方は分野・所属に関わらずお集まりください。
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発表者:山口哲由(地域研究統合情報センター・研究員)
題目:山地におけるグローバル化と地域の変容
日時:5月21日(火):16:30~18:00
場所:地域研究統合情報センター・セミナー室(稲盛財団記念館2階213号室)
摘要:これまでの山地では,主に自然環境の制約のもとで地域が形作られてきたとされる。すなわち、垂直的な環境変化を利用した農業や家畜飼養の複合によって地域の経済が支えられており、1つの小流域や山地斜面を単位として機能地域が形成されてきた。例えば、森林限界を超えた高山草原で家畜を放牧し、標高が低い部分では農耕をおこないながら、これら複数の活動を複合させることで生産を安定化させ、集団が形作られてきたのである。しかしながら、比較的孤立してきた山地でも近年は交通インフラが整備され、人やモノの移動が活発化し、商品経済への移行、農外就労の増加などが急速に進んでいる。生態環境の理論に基づいて形成されてきたこれまでの地域が、近年のグローバル化によってどのように構造を変容させているのか、そのなかで自然環境などの要素はどのような意義があるのかを、本研究ではインド北西部ラダークの村落事例から分析する。
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