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東南アジア大陸部における資源管理国家体制の比較(h18~h19)

過去の研究プロジェクト

東南アジア大陸部における資源管理国家体制の比較(h18~h19)

個別共同研究ユニット
代表: 柳澤雅之(京都大学地域研究統合情報センター・准教授)
共同研究員: Muthayya Chowdary VEMURI(京都大学東南アジア研究所・外国人共同研究者)、河野泰之(京都大学東南アジア研究所・教授)、Stephen Leisz(ビショップ博物館・研究員)、Dao Minh Truong(ハノイ大学・研究員)、Terry Rambo(コンケン大学・名誉教授)、
期間: 平成18年10月~平成20年3月
目的:  東南アジア大陸部では、森林やそこに生息する動物などの生態資源の利用をめぐって、地元の人びとや地方政府、国家、国際機関、NGO等さまざまなアクター間での調整がきわめて重要な課題となっている。本研究ユニットでは、とくに土地資源に焦点をあて、20世紀半ば以降現在に至るまでのおよそ50年間の土地利用における劇的な変化の要因を明らかにし、土地資源利用におけるアクター間調整のための基礎的資料を提供することを目的とする。そのために、ベトナム・タイ・ラオス・カンボジア・中国における事例研究の比較を通じて、土地利用の変化の実態を、航空写真や衛星画像の解析、フィールドワークによる聞き取り記録、政府刊行物・統計資料等により実証的に把握する。さらに、土地利用の変化を、社会構造の変化と関連させながら考察し、そのメカニズムを明らかにする。
研究実施状況: -平成18年度-
2007年1月9日~10日に、京都大学東南アジア研究所、East-West center、Khon Kaen大学と共同し、タイ国Khon Kaenにてワークショップ(Workshop on Comparative Analysis of Local Level Studies on Land Use And Cover Change in the Uplands of Mainland Southeast Asia)を開催した。ベトナム、タイ、ラオス、カンボジア、中国における土地利用の変化の事例研究を通じて、それぞれの地域における土地利用の変化の要因を考察した(事例研究の位置は右図参照)。
-平成19年度-
 2008年2月25日~3月9日に、カンボジアを対象とした土地利用の変化に関する移動型ワークショップを、プノンペンのRoyal University of Fine Arts、京都大学東南アジア研究所と共同して開催した。ここで言う移動型ワークショップとは、現地研究者および日本人研究者から構成され、互いに専門分野の異なる研究者集団がともに広域を移動しつつ、過去の衛星画像や地形図をリアルタイムに参照しながら、現場での聞き取り調査にさまざまな専門分野の知見を総合して土地利用の変化の要因を明らかにする手法を意味する。今回は、生物学、生態人類学、農業生態学、森林生態学、農業工学、農村開発学、宗教人類学、ポリティカルエコロジー、GIS、建築学、歴史学の専門家総勢13名が参加した。それにより、土地利用を、変化の基盤となる生態環境条件とともに、変化の直接の契機となるような地域の政治経済的条件の双方から検討することが可能になるだけでなく、より広域の中で土地利用の変化を位置づけることが可能となった。
研究成果の概要: -平成18年度-
土地利用の変化をもたらす要因には、気象や土壌などの自然環境条件、国民国家としての統合・商品経済の浸透・政策の実施・インフラ整備のように、土地利用の変化にとって直接的な要因ではないものの、土地利用の変化の方向性を規定し、長期的な変化を引き起こす要因と、インパクトが大きく、土地利用の変化における直接的な契機となるような要因とがあることがわかった。両者は密接に関連し、土地利用に対するインパクトは、その両方の要因を考慮すべきである。たとえば、同じ政策が実施されても、地域の長期的な変動要因が異なる場合、地域によってその政策の影響は異なることがある。したがって、次年度の研究では、土地利用の変化に関わる要因を長期的変動と直接的契機に分類し、事例ごとに両者の関係性を明らかにすると同時に、地域間(事例間)の比較を行う。
-平成19年度-
 土地利用の変化をもたらす要因には、(1)変化の基盤をなすような気象や土壌などの自然環境条件、(2)人口変動の長期トレンド、国民国家としての統合・商品経済の浸透・政策の実施・インフラ整備のように、土地利用の変化にとって直接的な要因ではないものの、土地利用の変化の方向性を規定し、中長期的な変化を引き起こす要因、(3)急激な政治経済政策のようにインパクトが大きく、土地利用の変化における直接的な契機となるような要因に分類できる。一般に、土地利用の変化は、直接的な契機を中心に分析されるが、それらの要因は、基盤となる条件や中長期的な変動の中に位置づけてはじめて他の地域との比較が可能になり、これらの要因を総合的に考慮する必要がある。
公表実績:  -平成18年度-
2007年1月9日~10日に、京都大学東南アジア研究所、East-West center、Khon Kaen大学と共同し、タイ国Khon Kaenにてワークショップ(Workshop on Comparative Analysis of Local Level Studies on Land Use And Cover Change in the Uplands of Mainland Southeast Asia)を開催した。
-平成19年度-
2007年1月9日~10日に、京都大学東南アジア研究所、East-West center、Khon Kaen大学と共同し、タイ国Khon Kaenにてワークショップ(Workshop on Comparative Analysis of Local Level Studies on Land Use And Cover Change in the Uplands of Mainland Southeast Asia)を開催した。
また、2008年4月23日~25日に、マレーシア・サラワク州クチンにて開催されるThe Association for Tropical Biology and Conservation主催の国際会議“Towards sustainable land-use in tropical Asia”にて、“Forest-based production systems in mainland Southeast Asia”と題するセッションを、研究会メンバーである河野泰之教授(京都大学東南アジア研究所)および柳澤で担当する予定(報告書執筆時点)。
研究成果公表計画
今後の展開等: