代表: | 原正一郎(京都大学地域研究統合情報センター・教授) |
---|---|
共同研究員: | 飯島渉(青山学院大学文学部・教授)、桶谷猪久夫(大阪国際大学国際コミュニケーション学部・教授)、貴志俊彦(神奈川大学経営学部・教授)、五島敏芳(国文学研究資料館アーカイブズ研究系・助教)、柴山守(京都大学東南アジア研究所・教授)、関野樹(総合地球環境学研究所・准教授)、林行夫(京都大学地域研究統合情報センター・教授) |
期間: | 平成19年4月~平成22年3月 |
目的: | 本複合共同研究ユニットでは、地域あるいは主題ごとに展開されている地域研究の成果を研究知として集成・共有化・公開・再利用する情報学的なフレームワークについて検討し、地域情報学(Area Informatics)という新しい研究パラダイムの創出を目指す。そのため本複合共同研究ユニットでは、地域研究者と情報学研究者による研究組織を構成し、地域研究から情報学へのニーズ(needs)と情報学が提案できるシーズ(seeds)を明確にしつつ新たな研究展開の可能性について討論・検討を加え、地域研究および情報学の双方の視点から地域研究の新たな展開や展望を考える。 これを実現するため、本複合共同研究ユニットのもとに「HGISに関する研究(代表:関野樹)」、「地域情報のデータベース化に関する研究(代表:貴志俊彦)」、「東アジアにおける地域変容のインデックスとしての医学・衛生学関係資料(代表:飯島渉)」、「地域情報学的手法を用いたベトナム・ハノイの都市変容の解明(代表:米澤剛)」の各研究ユニットを配置し、データ収集からデータベース構築さらにデータ利用までの全情報処理過程を対象とし、情報モデルの構築から小規模試験システムの構築までを試みる。 |
研究実施状況: | -平成19年度- (1) 「HGISに関する研究」ユニットおよび「地域情報のデータベース化に関する研究」ユニットとの共同研究会の開催:第1回(5月7日:京都大学)、第2回(8月5、6日:アピカルイン京都)、第3回(12月15日:京都大学)、第4回(3月25日:京都大学)。いずれも科学研究費補助金基盤研究(S)「地域情報学の創出(代表:柴山守)」、科学研究費補助金基盤研究(A)「医療地域情報学の確立:疾病構造に着目した計量的地域間比較研究(代表:原正一郎)」、科学研究費補助金基盤研究(A)「アフロ・アジアの多元的情報資源の共有化を通じた地域研究の新たな展開(代表::田中耕司)」との共催。 (2) 「大陸部東南アジア仏教圏の文化実践の動態をめぐる時空間の位相」ユニットとの共同研究会の開催:第1回(6月30日:京都大学)、第2回(11月17日:京都大学)、第3回(2月2、3日:金沢) (3) 「東アジアにおける地域変容のインデックスとしての医学・衛生学関係資料」ユニットとの共同研究会の開催:第1回(6月8日:長崎大学)、第2回(3月1日:地球研:Workshop on Historical and Statistical Records of Infectious Disease in 20th Century East Asia: New Perspective of Academic Exchange between Historian and Epidemiologist)。いずれも科学研究費補助金基盤研究(A)「医療地域情報学の確立:疾病構造に着目した計量的地域間比較研究(代表:原正一郎)」との共催。 -平成20年度- (1) 「HGISに関する研究」ユニットおよび「地域情報のデータベース化に関する研究」ユニットとの共同研究会の開催:第1回(6月22日:京都大学)、第2回(10月26日:京都大学)、第3回(2月22,23日:京都大学)。いずれも科学研究費補助金基盤研究(S)「地域情報学の創出(代表:柴山守)」、科学研究費補助金基盤研究(A)「医療地域情報学の確立:疾病構造に着目した計量的地域間比較研究(代表:原正一郎)」、科学研究費補助金基盤研究(A)「アフロ・アジアの多元的情報資源の共有化を通じた地域研究の新たな展開(代表::田中耕司)」との共催。 (2) 「大陸部東南アジア仏教圏の文化実践の動態をめぐる時空間の位相」ユニットとの共同研究会の開催:第1回(8月1,2日:奈良)、第2回(3月13,24日:熊本)。 (3) 「東アジアにおける地域変容のインデックスとしての医学・衛生学関係資料」ユニットとの共同研究会の開催:第1回(9月5日:Academia Sinica, Taipei, Taiwan: Workshop on “Environmental Changes and Infectious Diseases: Historical Perspective and Contemporary Issues”: Academia Sinica,地球研,科学研究費補助金基盤研究(A)「医療地域情報学の確立:疾病構造に着目した計量的地域間比較研究(代表:原正一郎)との共催 )、第2回(12月21日:地球研:第1回中国環境問題ワークショップ「環境との対話」:地球研,科学研究費補助金特定研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成-寧波を焦点とする学際的創生-」(代表:小島毅)との共催)。 (4) 「地域情報学的手法を用いたベトナム・ハノイの都市変容の解明」ユニットは研究会を1回(2月4日:京都大学)開催。これは科学研究費補助金基盤研究(S)「地域情報学の創出(代表:柴山守)」との共催。 -平成21年度- (1) 「HGISに関する研究」ユニットおよび「地域情報のデータベース化に関する研究」ユニットとの共同研究会の開催:第1回(6月6、7日:京都大学)、第2回(8月28日:京都大学)、第3回(2月20:京都大学)。いずれも科学研究費補助金基盤研究(S)「地域情報学の創出(代表:柴山守)」、科学研究費補助金基盤研究(A)「医療地域情報学の確立:疾病構造に着目した計量的地域間比較研究(代表:原正一郎)」との共催。 (2) 「東アジアにおける地域変容のインデックスとしての医学・衛生学関係資料」ユニットとの共同研究会の開催:第1回(3月13.14日:???境史研究研?会-??地域?化指?的医学?生学?料-、上海交通大学:地球研「Research Project on “Environmental Changes and Infectious Diseases in Tropical Asia”」および科学研究費補助金基盤研究(A)「医療地域情報学の確立:疾病構造に着目した計量的地域間比較研究(代表:原正一郎)との共催 )。 (3) 「地域情報学的手法を用いたベトナム・ハノイの都市変容の解明」ユニットは研究会を1回(1月20日:京都大学)開催。これは科学研究費補助金基盤研究(S)「地域情報学の創出(代表:柴山守)」との共催。 |
研究成果の概要: | -平成19年度- (1) データベース等:「地域情報のデータベース化に関する研究」ユニットとの共同研究により以下の研究開発を推進した。 地域研究学術アーカイブズ(仮称)の構築研究 三印法典データベース(WEB版) 三印法典データベース(CD-ROM版): 中国における「外国人」人口統計データベース-戦前編- 英国議会資料関連データベース(英国議会資料図版編) マレー・インドネシア語雑誌記事横断検索システム(Qalam編) 画像データベース(タミール語映画編) 資源共有化システム メタデータ研究 (2) 時空間情報処理ツールの構築:「HGISに関する研究」ユニットとの共同研究により以下の研究開発を推進した。 HuMap(Humanities Map) HuTime(Humanities Time) デジタル歴史地名辞書digital historical gazetteer) 暦日テーブル (3) 人間文化研究機構人間文化研究資源共有化推進事業に参画し、特に時間情報(年表型の情報)と空間情報(地図型の情報)を分析するツール。 -平成20年度- (1) データベース等:「地域情報のデータベース化に関する研究」ユニットとの共同研究により以下の研究開発を推進した(詳細は「地域情報のデータベース化に関する研究」ユニット年次報告書を参照)。 地域研究学術アーカイブズ(仮称)の構築研究 中国における「外国人」人口統計データベース-戦前編- トルキスタン集成データベース ポスト社会主義諸国の選挙・政党データベース マレー・インドネシア語雑誌記事横断検索システム(クワトウ編) 画像データベース(マレーシア映画編) 資源共有化システム メタデータ研究 TOPICMAS (2) 時空間情報処理システムの構築:「HGISに関する研究」ユニットとの共同研究により以下の研究開発を継続した(詳細は「HGISに関する研究」ユニット年次報告書を参照)。 HuMap(Humanities Map) HuTime(Humanities Time) デジタル歴史地名辞書(digital historical gazetteer) 暦日テーブル HuServer (3) 人間文化研究機構人間文化研究資源共有化推進事業に参画し、特に時間情報(年表型の情報)と空間情報(地図型の情報)を分析するツール(GT-MapおよびGT-Time)の開発に貢献した(http://www.nihu.jp/kyoyuka/databese.htmlを参照)。 -平成21年度- (1) データベース等:「地域情報のデータベース化に関する研究」ユニットとの共同研究により以下の研究開発を推進した(詳細は「地域情報のデータベース化に関する研究」ユニット年次報告書を参照)。 ・ トルキスタン集成データベースの改修 ・ 画像データベース(タイ映画編) ・ 資源共有化システム ・ 地図データベースメタデータ研究 ・ TOPICMAS ・ 「南方軍防疫工作報告・防疫報告」のデジタル化 (2) 時空間情報処理システムの構築:「HGISに関する研究」ユニットとの共同研究により以下の研究開発を継続した(詳細は「HGISに関する研究」ユニット年次報告書を参照)。 ・ HuMap(Humanities Map) ・ HuTime(Humanities Time) ・ デジタル歴史地名辞書(digital historical gazetteer) ・ 暦日テーブル ・ HuServer (3) 人間文化研究機構人間文化研究資源共有化推進事業に参画し、特に時間情報(年表型の情報)と空間情報(地図型の情報)を分析するツール(GT-MapおよびGT-Time)の開発に貢献した(http://www.nihu.jp/kyoyuka/databese.htmlを参照)。 (4) 総合地球環境学研究所が主体となって推進している「地域環境情報ネットワークの構築」に参画した。 ・ 雑誌「SEEDer」の編集・企画に参画した ・ 地図データベースの構築および関連メタデータの設計に貢献した |
公表実績: | -平成19年度- (1) 2007年8月21日にVietnam Buddhist University(ホーチミン市)で開催されたInternational Colloquium on VIETNAM IN THE EAST EASIAN BUDDHIST TRADITIONSにおいて、地域研が推進中の地域情報学について「Geo-temporal Systems for Area Informatics」と言うタイトルで講演。 (2) 2007年10月18日から10月20日にかけてカリフォルニア大学バークレイ校で開催された”PNC 2007 Annual Conference in Conjunction with PRDLA, ECAI”において、”Area Informatics I: Technical Aspects”および”Area Informatics II: Application of Geo-temporal Systems to Area Studies”というテーマで2セッションを設け、本研究を中心に、日本におけるHumanities GISの概要、GISツールの構築、地名辞書の作成等、以下の8件の発表を行った。 “Area Informatics I: Technical Aspects” ・Shoichiro Hara: Overview of Geo-temporal Systems for Area Informatics. ・Masatoshi Ishikawa: Design of a Location Information Capturing Tools using Multiple-Sensors for Field Works. ・Tatsuki Sekino: Temporal Based Information System (T2Map). ・Ikuo Oketani, Mitsuru Aida: The Construction of the Gazetteer of Japanese Place Names based on Humanities GIS, and the Analysis of Characteristic on Distribution of Place Names Attribute. “Area Informatics II: Application of Geo-temporal systems to Area Studies” ・Mitsuru Aida: Possibility of Name of a Place Ontology -That Centers on Old Calendar Document of Japan- ・Toshihiko Kishi: An Analysis of the Propaganda Posters & Bills in the Early Manchukuo Period (1932-1937) ・Masatoshi Kubo: Historical Analysis using YUNNAN Chronicle: Toward Developing Time-space integrated Archives for analysis and Presentation of Cultural Resources. ・Yukio Hayashi: Locating Theravada Buddhist Practices: Temple/Hermitage and Wandering. (3) 平成19年12月13日から12月14日にかけて京都大学で開催された「人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん2007)」において、シンポジウムのテーマ『デジタルアーカイブと時空間の視点』を主導するとともに、以下の6件の発表を行った。 「時空間オントロジ」セッション ・相田 満:地名オントロジの可能性. 「時空間情報処理基盤1」セッション ・原正一郎、柴山守:地域情報学の構築と時空間情報解析ツール. ・桶谷猪久夫:人文分野における日本地名辞書の構築と地名属性の特徴分析. ・石川正敏、原正一郎、柴山守:人文科学のための現地調査支援システムの試作. 「時空間情報の利用と解析」セッション ・米澤剛、柴山守:GISを用いたベトナム・ハノイの都市形成. 「時空間情報基盤2」セッション ・関野樹、久保正敏:T2Map― 時間情報に特化した解析ツール. (4) 2008年度日本地理学会春期学術大会公開シンポジウム『「地域の知」の統合に向けて-地域情報データベースの利活用-』(平成20年3月29日:獨協大学)における発表 (5) 論文等 原正一郎,柴山守:地域情報学の構築と時空間情報解析ツール、人文科学とコンピュータシンポジウム論文集2007, Vol.2007, No.15, pp.71-78, 2007. 関野 樹、久保 正敏:T2Map -時間情報に特化した解析ツール、人文科学とコンピュータシンポジウム論文集2007, Vol.2007, No.15, 2007, pp.183-188, 2007. 桶谷猪久夫:人文分野における日本地名辞書の構築と地名属性の特徴分析、人文科学とコンピュータシンポジウム論文集2007, Vol.2007, No.15, pp.79-86, 2007. 相田 満:地名オントロジの可能性, 人文科学とコンピュータシンポジウム論文集2007, Vol.2007, No.15, pp.55-62 , 2007. 石川正敏、原正一郎、柴山守:人文科学のための現地調査支援システムの試作, 人文科学とコンピュータシンポジウム論文集2007, Vol.2007, No.15, 2007, pp.87-94 , 2007. 米澤剛、柴山守:GISを用いたベトナム・ハノイの都市形成, 人文科学とコンピュータシンポジウム論文集2007, Vol.2007, No.15, pp.139-146, 2007. 原正一郎:地域研究の視点からの情報資源の共有化-時空間情報の高度利用-、2008年度日本地理学会春期学術大会公開シンポジウム. -平成20年度- (1) 2008年4月21-25日にCurtin University of Technology(オーストラリア,パース市)で開催された4th Congress of Cultural Atlasesにおいて、地域研が推進中の地域情報学について「Area Informatics and Spatiotemporal Tools」と言うタイトルで発表。 (2) 2008年12月4-6日にかけてHanoi University of Mining and Geology (ベトナム,ハノイ市)で開催された”PNC 2008 Annual Conference in Conjunction with PRDLA, ECAI “および”International Symposium on GeoInformatics for Spatial-Infrastructure Development in Earth and Allied Sciences” において”Area Informatics: Application of Spatiotemporal Tools to Analyze Data”,”Digital Gazetteer and Calendar(round table session)”および”Health and Environment” というテーマで3セッションを設け、本研究を中心に、Humanities GISの概要、GISツールの構築、地名辞書,GISの応用等、以下の合計13件の発表を行った。 Toshihiko KISHI: “The Dynamic State of the “Foreigners” in Pre-war China by Using the Variable Demographic-Statistics Database”, PNC 2008 Annual Conference Program and Abstract Book, pp.92, 2008. Tatsuki SEKINO: “Information Analysis of Various Type of Information Based on Temporal Data”, PNC 2008 Annual Conference Program and Abstract Book, pp.93, 2008. Masatoshi KUBO: “Eco-Historical Analysis of YUNNAN Chronicle -Using time-Space Analysis System-” , PNC 2008 Annual Conference Program and Abstract Book, pp.94, 2008. Ikuo OKETANI and Mitsuru AIDA: “The Construction of the Digital Gazetteer Based on Humanities GIS and the Analysis of Characteristics”, PNC 2008 Annual Conference Program and Abstract Book, pp.95, 2008. Shoichiro HARA: “Area Informatics and Spatiotemporal Application”, PNC 2008 Annual Conference Program and Abstract Book, pp.106-107, 2008. Shoichiro HARA (Organizer): “Digital Gazetteer and Calendar (Round Table Session)”, PNC 2008 Annual Conference Program and Abstract Book, pp.110, 2008. Nakarin Chaikaew, Nitin Kumar Tripathi and Shoichiro HARA: “Exploring Spatial and Spatio-temporal Clusters of Malaria in Chiang Mai, Thailand”, Proceeding of International Symposium on GeoInformatics for Spatial-Infrastructure Development in Earth and Allied Sciences, pp.103-108, 2008. Shoichiro HARA: “Health GIS as an Application of Area Studies”, Proceeding of International Symposium on GeoInformatics for Spatial-Infrastructure Development in Earth and Allied Sciences, pp.109-114, 2008. Phaisarn Jeefoo, Nitin Kumar Tripathi and Shoichiro HARA: “Analytical Hierarchy Process Modeling for Malaria Risk Zonation in Kanchanaburi, Thailand”, Proceeding of International Symposium on GeoInformatics for Spatial-Infrastructure Development in Earth and Allied Sciences, pp.115-120. Michihisa Umekawa: “The Application of Physical Potential Theory to the Geographic Formation Science – An Example to the Population Density-”, Proceeding of International Symposium on GeoInformatics for Spatial-Infrastructure Development in Earth and Allied Sciences, pp.403-408, 2008. Yoshikatsu NAGATA: “Rural migration network in Northeast Thailand: A case study in the upper watershed of the Songkhram River”, Proceeding of International Symposium on GeoInformatics for Spatial-Infrastructure Development in Earth and Allied Sciences, pp.213-218, 2008. Shibayama M., Yonezawa G., Luan T.,: “Hanoi Urban Transformation – An Area Informatics Approach-” , Proceeding of International Symposium on GeoInformatics for Spatial-Infrastructure Development in Earth and Allied Sciences, pp.397-402, 2008. Yonezawa G., Shibayama M., Nonogaki S., Masumoto S., Venkatesh R., Luan T.,: “Hanoi Urban Transformation in the 19-21 Centuries – Topographic Changes and 3-D Modeling-”,Proceeding of International Symposium on GeoInformatics for Spatial-Infrastructure Development in Earth and Allied Sciences, pp.409-414, 2008. (3) アジア遊学113号において,「特集 地域情報学の創出」を刊行した 目次(査読付き) 巻頭座談会 地域研究における情報学を考える 石井米雄・田中耕司・柴山守・ 貴志俊彦 総論 地域情報学の目指すところ-地域研究におけるGISの応用-柴山守・原正一郎 近代移行期の死亡構造を捉える時空間情報システムの必要性 川口洋 『大日本地名辞書』から広がる地名オントロジの可能性 相田満 正倉院文書データベース「復元」 後藤真 近代文学で描かれた東京の河川環境 谷口智雅 戦争とメディアをめぐる歴史画像デジタル化の試み 貴志俊彦 感染症の流行に関する歴史データの整理とその国際保健・疫学への応用 飯島渉 東北タイ仏教徒社会の時空間マッピング 林行夫 サマ・バジャウの人口分布に関する覚書 長津一史 ポスト・インド洋津波の時代の災害地域情報 山本博之 ハノイの空間と時間 桜井由躬雄 歴史的文書記述からの空間関係の推論 浅見泰司 空間に基づいた情報処理ツール 原正一郎 時間に基づいた情報処理ツール 関野樹 時空間統合アーカイブズの構築を目指して 久保正敏 航空写真に見る東北タイ稲作変化 星川圭介 ハノイの三次元都市モデル構築に向けて 米澤剛 地域情報学をささえるアーカイブズという基盤 五島敏芳 デジタル地名辞書構築とその利用 桶谷猪久夫 地域研究のための現地情報収集支援システム 石川正敏 (4) 論文等 PNC 2008 Annual Conference in Conjunction with PRDLA, ECAIおよびInternational Symposium on GeoInformatics for Spatial-Infrastructure Development in Earth and Allied Sciencesおよびアジア遊学113号「特集 地域情報学の創出」における論文等を除く。 Shoichiro HARA: “Health GIS and Area Studies”, Issue on Health GIS (Editing), 2009. 原正一郎:「データ共有・交換の基礎としてのXML」, SEEDer 地域環境情報から考える地球の未来, No.0, pp.48-53, 2009. Shibayama M., Yonezawa G., Sakurai Y., Luan T.,: “Hanoi 4D Analysis in 19th and 20th Centuries: Urbanized City, Water Area, and Villages”, Proceedings of the third International Conference on Vietnamese Studies 2008, in CD-Rom, pp.1-16, 2008. KISHI Toshihiko: “Source Material Digitalization and Chinese Studies in Japan,” Asia Research Trend, New Series, No.3, Toyo Bunko, pp. 81-93, 2008. Hiroshi KAWAGUCHI, Shigenobu SUGITOH, Tsunekazu KATO: “Historical documents and data analysis system for historical demography in Japan during the 17th-19th centuries”, Proceedings on Prospect for Historical Demography in East Asia, pp.133-157, 2008. Hiroshi KAWAGUCHI: “Where did the peasants die in the suburbs of Edo, Japan in the 18th-19th centuries”, Discussion Paper Series (Faculty of Business Administration, Tezukayama University), vol. F-006. 2008. 川口洋,上原邦彦,日置慎治:「『幕末維新期人口史料』データベースの構築」, 情報処理学会シンポジウムシリーズ『人文科学とコンピュータシンポジウム論文集』, vol.2008, No.15, pp.187-194, 2008. 川口洋: 「生活・文化のためのGIS」, 村山祐司・柴崎亮介編『シリーズGIS』, 第3巻(第10章 歴史・地理とGIS), 朝倉書店, pp.155-170, 2009. 関野樹: 「『知の源泉』を構築するためのデータ共有の仕掛け -情報学からのアプローチ」, SEEDer 地域環境情報から考える地球の未来, No.0, pp.34-38, 2009. Yonezawa G., Shibayama M., Luan T.,: “3D Topographical Analysis in Hanoi”, Proceedings of the third International Conference on Vietnamese Studies 2008, in CD-Rom, pp.1-8, 2008. 米澤剛, 野々垣進, 柴山守, ベンカテッシュ・ラガワン, 升本眞二: 「ベトナム・ハノイの都市変容と地形変化」, 情報地質, 19(2), pp.112-113, 2008. 相田満: 「地震と六国史―キャラクター生成装置としての六国史―」, 東洋研究171, 大東文化大学東洋文化研究所, pp.111-133, 2009. M. Ishikawa, Y. Yanazaki, K. Kaneko: “A Supporting System for Geographic Education by Using 3D Globe Software”, Proc. World Conf. E-Learning in Corporate, Government, Healthcare, & Higher Education, in CD-ROM, 2008. M. Ishikawa, K. Kaneko: “Design of a Map Annotation System Using a Digital Pen for Field Work”, Proceeding for Society for Information Technology & Teacher Education (SITE 2009), in CD-ROM, 2009. 山崎庸平, 石川正敏, 金子敬一:「3次元地球儀ソフトウェアを用いた地理学習支援システムの設計と実現」, 情報教育シンポジウム論文集, 情報処理学会シンポジウムシリーズ, Vol.2008, No.6, pp.127-132, 2008. 梅川通久,荒木茂:「『地域研究画像データベース』を利用したフィールド写真の収集と公開」,アジア・アフリカ地域研究, Vol.8 (1), pp.52-74, 2008. 梅川通久:「ポテンシャルを用いた人口密度分布の解析」, 人文科学とコンピュータシンポジウム「じんもんこん2008」, pp.195-200, 2008. -平成21年度- (1) ホームページの公開(http://www.h-gis.org) (2) 出版・刊行:東南アジア研究(地域情報学–地域研究と情報学の新たな地平–特集号)Vol.46, No.4を刊行した。目次は以下の通り: ・ 序論(〈特集〉地域情報学–地域研究と情報学の新たな地平–) ・ 柴山守:Introduction ・ 柴山守:Hanoi’s Urban Transformation in the 19th and 20th Centuries: An Area Informatics Approach ・ 米澤剛:3D Topographical Analysis of Hanoi, Vietnam ・ Ho Dinh Duan、柴山守:Studies on Hanoi Urban Transition in the Late 20th Century Based on GIS/RS ・ Lertlum, Surat、柴山守:Application of Geo-Informatics to the Study of the Royal Road from Angkor to Phimai ・ 星川圭介:フィールドで見る・情報学的手法で解く–東北タイにおける稲作変化の軌跡 ・ 越智士郎:画像オブジェクトに基づく高分解能衛星画像での土地被覆分類手法の検討 ・ 関野樹:琵琶湖の水環境の時間に基づく情報解析–時間解析ツールHuTime の有効性の検証 ・ 原正一郎:地域研究のための資源共有化システムとメタデータに関する研究 ・ 西渕光昭:気候変動と感染症–医学研究と地域情報学のクロスオーバー (3) 学会等 2009/10/6-9に台北の中央研究院で開催されたPNC 2009 Annual Conference and Joint Meetingsにおいて、”Humanities GIS in Japan : Analyzing Humanities Data from Spatiotemporal Perspectives (I)”および “Humanities GIS in Japan : Analyzing Humanities Data from Spatiotemporal Perspectives (II)”の2つのセッションをオーガナイズした。発表内容は以下の通り: ・ Mamoru Shibayama: Hanoi Urban Transformation in the 19-21th Centuries: An Area Informatics Approach ・ Go Yonezawa: Spatiotemporal Analysis of Urban Transformation in Hanoi, Vietnam ・ Toshihiko Kishi: A Trial of Demographic Analysis by “Population Statistics Database Management System” ・ Mitsuru Aida : Ontology of the Japanese Place Name ・ Yoshikatsu Nagata: Spatial Distribution of Original Homes of Migrants to Newly Established Villages: A Case Study in Northeast Thailand 併せて開催された”GIS in the Humanities and Social Sciences 2009″において”Humanities GIS in Japan -Current Status”セッションをオーガナイズした。発表内容は以下の通り: ・ Masatoshi KUBO: Spatio-temporal Model for Presenting and Analyzing Humanities Research Resources ・ Ikuo OKETANI : The Construction of the Digital Gazetteer and the Topographical Maps Database based on Humanities GIS ・ Tatsuki SEKINO :Tools to Realize Spatiotemporal Analysis in the Humanities ・ Shoichiro HARA : Humanities GIS in Japan : Current Status, Models and Tools (4) 論文等 著書(共編著) 1. 水島 司、柴山 守:「地域研究のためのGIS」、古今書院、2009. 論文(査読有のみ) 1. Shoichiro Hara: “Area Informatics -Concept and Status-”, Culture and Computing 2010 (Lecture Notes in Computer Science, Springer), Editing, 2010. 2. 原正一郎:「地域研究のための資源共有化システムとメタデータに関する研究」、東南アジア研究、Vol.46、No.4、pp.608-645、2009. 3. Shoichiro HARA: “Health GIS and Area Studies”, International Journal of GEOINFORMAITCS, AgIT, Vol.5, No.1, pp.49-55, 2009. 4. Shoichiro HARA: “Humanities GIS: Current Status, Models and Tools”, Proceedings of GIS in the Humanities and Social Sciences International Conference, pp.161-175, 2009. 5. 原、関野、久保、柴山:「地域研究支援のための時空間情報処理ツールの構築」、人文科学とコンピュータシンポジウム論文集、Vol.2009、No.16、pp.163-170、2009. 6. Mamoru Shibayama: ” Hanoi’s Urban Transformation in the 19th and 20th Centuries -An Area Informatics Approach-”, Journal of Southeast Asian Studies, Vol.46, No.4, pp.496-518, 2009. 7. Do Dinh Duan and Mamoru Shibayama: STUDIES ON HANOI URBAN TRANSITION IN LATE 20th CENTURY BASED ON GIS/RS, Journal of Southeast Asian Studies, Vol.46, No.4, pp.532-540, 2009. 8. Surat Lertlum1 and Mamoru Shibayama: Application of Geo-Informatics for Cultural Studies in the Southeast Asia: Royal Road from Angkor to Phimai, Journal of Southeast Asian Studies, Vol.46, No.4, pp.541-553, 2009. 9. 柴山 守:地域情報学-地域研究と情報学の新たな地平-序論、『東南アジア研究』、Vol.46, No.4, pp.481-191, 2009. 10. 柴山 守:時空間概念に基づく地域・歴史事象の写像と知識獲得-地域情報学の視点から見る歴史知識学-、人工知能学会誌、Vol.25, No.1, pp.42-49, 2010. 11. 田中耕司:「森林と農地の境界をめぐる自然資源とコモンズ-現代の環境政策と地域住民」、池谷和信(編著)『地球環境史からの問い』、岩波書店、pp.296-313、2009. 12. 田中耕司:「東アジアモンスーン地域の生存基盤としての持続的農業」、杉原薫他(共編)『地球圏・生命圏・人間圏』、京都大学学術出版会、2009. 13. Michihisa Umekawa: “Potential Analysis of the Population Density Distribution in Southeast Asia”, Proceedings of GIS in the Humanities and Social Sciences, pp. 291-299, 2009. 14. Yonezawa G: “3-D Topographical Analysis of Hanoi, Vietnam”, 東南アジア研究, 46(4), pp. 519-531, 2009. |
研究成果公表計画 今後の展開等: |
これまでの研究活動の成果として、「地域情報学」あるいは「Area Informatics」は次第に認知されるようになってきた。また地域研究情報基盤を構成する資源共有化システム、HuMap,HuTime,地名辞書、暦日テーブルについての関心は高く公開を開始した。研究成果の公開は、学会等における論文および口頭発表により、また研究会ホームページ(http://www.h-gis.org)より継続する。以上の成果を受けて、今後の展開を以下のように考えている: ① 地域研究情報基盤の拡張:「HGISに関する研究(代表:関野樹)」の成果である時空間情報処理ツール、「地域情報のデータベース化に関する研究(代表:貴志俊彦)」の成果である資源共有化システム、およびオントロジーツールを連携させて,データ収集からデータベース構築さらにデータ利用までの全情報処理過程を対象とした,地域情報学のための情報基盤を構築する。 ② 地域研究への適用:地域研究情報基盤を地域研究に展開するための研究環境を構築する。そこでの成果や評価を今後の開発に反映させる。 ③ 成果公開:ワークショップを開催する。 ④ 地域情報学に関するテキストブックの刊行準備を行う。 以上により,地域情報学の概念・方法論の確立と時空間情報処理システムの普及を進め,地域情報学の展開と深化を図る。特に、時空間に加えて主題等の計量化に関する研究を進め、より広範囲の研究資料を情報学に適用することを試みる。 |