[2011年6月7日更新]
龍谷大学文学部社会学科 卒業(1979)
龍谷大学大学院文学研究科社会学専攻修士課程 修了(1981)
京都大学東南アジア研究センター研究生(1981)
タイ国立チュラーロンコーン大学大学院社会学・人類学専攻科(アジア諸国等派遣留学生 (1981-1983))
京都大学東南アジア研究センター研修員(1984-1985)
龍谷大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程 単位取得退学(1985-1988)
国立民族学博物館研究部 助手(1988-1993)
京都大学東南アジア研究センター[現・東南アジア研究所]助教授(1993-2002)
京都大学東南アジア研究センター[現・東南アジア研究所]教授(2002-2006)
京都大学地域研究統合情報センター教授(2006-)
博士(学術)(京都大学大学院人間・環境学研究科、2001)
メディアを扱うことができる立場にある者は、しらずしらずのうちに、それをもたない者を自分に都合のよい図式のなかに描く。見知らぬ人びとや文化とであうとき、わたしたちは既存の知識を動員し、自分が所属する社会や文化に共通するという意味での「通俗的」な理解を試みる。ところが、ある地域で名前をもつ生身の人びととの間で「揉み込まれ」ていると、そうした通俗的理解がかなり偏よったものである場合が多いことに気づくとともに、その場で制度を造り制度のなかに生きる人びとと、その周縁を生きることを余儀なくされる人びとが見えてくる。その場の経験を共有しない外部者は、両者を「国家」「民族」「宗教」などの範疇で括ろうとするが、現実の社会では、ともに異なる世界を築いて同じ時代を別々に生きぬいている。人間の可能態は一様ではない。人間の定義自体が、同じでない。西南中国を含む東南アジア大陸部の仏教(上座仏教)徒社会で学んだことである。
歴史的に一部の為政者が受容し庇護してきた仏教は、支配の正統性原理を供給するとともに、それぞれの階層の人びとの暮らしのなかで生きられる信仰としても根づいてきた。1980年代初頭からタイ農村の定着調査を行ない、「辺境」とされてきた地域社会が「中心」と連動すること、地域でも集落の歴史や経験によって多様な宗教実践が築かれていることを調べてきた。臨地調査が可能となった 1990年代以降は、ラオス、中国・西双版納、カンボジアに足をのばして「同じ」パーリ仏教徒社会の地域間比較研究を試みた。そこで得た知見は「仏教徒」で括られるそれぞれの社会での宗教実践は、同じ仏教徒どうしでも自他を含めた人びとを「同類異種」化するということである。訪れた地域で多様な姿形をとる実践は、外部の他者としての国家や市場経済の力を呑み込みもすれば、抗うようにも働く。仏教をはじめとする宗教実践は、制度や知識人が統括し表象する知識とは性質が異なる「知」を築いている。人びとの身体や地域社会の記憶と直結し、情動的な局面を併せもつ知識である。そうした知識は、生きる世界を抱懐するひとつの方法となっている。ミクロな経験的研究を軸にして、地域=民族間関係、国民国家およびその境域で、また、日常の生活感覚から隔てられているが常にその外影を輪郭づける国家や市場経済システムのなかで、人びとはいかに事態を了解して選択し、行為するのか。まだ問い続けている。
他方で、今日の大陸部東南アジア諸国では、宗教は祭事として、民族文化とともに外国人向けの観光産業や政策下で消費される対象としての局面ももちつつある。西洋式の生活様式が日常生活にはいりこみ、その言説から宗教や民族を自文化として対象化する研究者も輩出している。しかし、そうした自文化と在地の実践との落差を意識する識者もいる。そうした人びととともに、一国内はもとより国境を跨ぐ国家間のネットワークをつくり、実践宗教の地域ごとの表出形態と国家=制度的な運用、変容の過程を「共に」明らかにするような研究はできないだろうか、と夢想してきた。心身両面において人を動かし、物財を流通させて地域や制度を編制する宗教実践の動態的な組成力に着目しつつ、異なる階層に属する人びとの「生き様」を浮き彫りにしたい。その思いを具体化するために、昨年度から「寺院施設をめぐる時空間マッピング」という研究をたちあげた。特定地域の寺院をくまなく訪ね歩き、統計にない施設もふくめてその立地と環境、そこに出入りする出家者と俗人の動き(移動)を過去5年にさかのぼって調べる。これまでのように、集約的調査で得た知見を広域比較で検証し、実践宗教の動態を演繹的に論証する方向をとらず、僧俗を含めた人びとの実践を、鳥瞰図ならぬ「虫瞰図」的に明らかにしようとする。まだ対象地域をタイの一部に限定した実験的段階であるが、了解していたつもりだった寺院や人のネットワークがまったく異なる位相の下に顕れてくる。情報学でいうデータ・マイニングということだろうか。しかもその成果は、現地の人びとやタイの国家仏教庁にも役立ててもらうことができる。対象地域や国家を広げ、ミクロ、マクロおよび計量的な地域情報学の手法を援用し、人びとが創る地域の現在と今日にいたるまでの歴史変容をあぶりだすような、長期の共同研究プロジェクトへと展開されていくことを願っている。
2003 Practical Buddhism among the Thai-Lao: Religion in the Making of a Region. Kyoto and Melbourne: Kyoto University Press and Trans Pacific Press. (http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?isbn=9784876984541; http://www.transpacificpress.com/cache/header-3public__0-0.html?cache=no) 以下も参照. http://www.amazon.com/gp/product/1876843411/103-4303136-0419867?v=glance&n=283155
2000 『ラオ人社会の宗教と文化変容―東北タイの地域・宗教社会誌』 京都大学学術出版会 (http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?isbn=9784876984022)
2011 『マッピング・データ集成Ⅰ―大陸部東南アジア仏教徒社会の時空間マッピング:寺院類型・社会移動・ネットワーク』(1DVD付)京都大学地域研究統合情報センター
2011『静と動の仏教―新アジア仏教史4(スリランカ・東南アジア)』佼成出版社(奈良康明、下田正弘監修、編集協力/共著)
2009 『<境域>の実践宗教――大陸部東南アジア地域と宗教のトポロジー』京都大学学術出版会(編著)
2006 『東南アジア大陸部・西南中国の宗教と社会変容―制度・境域・実践』(平成15-17年度科学研究補助金基盤研究(A)課題番号15252003研究成果報告書)
2005 『講座世界の先住民族(ファーストピープルズの現在)第2巻―東南アジア』(合田濤との共編)明石書店
2003 『エリア・スタディーズ―タイを知るための60章』(綾部恒雄との共編)明石書店
2003 Cultural Diversity and Conservation in the Making of Mainland Southeast Asia and Southwestern China: Regional Dynamics in the Past and Present [Co-edited with Thongsa Sayavongkhamdy]. Bangkok: Amarin Printing and Publishing.
2002 Inter-Ethnic Relations in the Making of Mainland Southeast Asia and Southwestern China [Co-edited with Aroonrut Wichienkeeo]. Bangkok: Amarin Printing and Publishing.
2000 Dynamics of Ethnic Cultures Across National Boundaries in Southwestern China and Mainland Southeast Asia: Relations, Societies, and Languages [Co-edited with Yang Guangyuan]. Chiang Mai: Ming Mueang Publishing House.
1998 Inter-Ethnic Relations in the Making of Mainland Southeast Asia: Papers presented at the ‘International Co-Workshop on the Projects of “Inter-Ethnic Relations in the Making of Mainland Southeast Asia (CSEAS, Kyoto University)” and “Social and Cultural History of the Tai Peoples (Chulalongkorn University).”‘ Bangkok: CSEAS, Kyoto University Bangkok Office.
1996 『東南アジア大陸部における民族間関係と「地域」の生成』(重点領域研究「総合的地域研究」成果報告書シリーズ26)京都大学東南アジア研究センター
2011 「東南アジア仏教徒の世界」林行夫(編集協力)『新アジア仏教史04・静と動の仏教―スリランカ・東南アジア』佼成出版社、19-62。
2009 「「タイ仏教」と実践仏教の位相―東北農村のタマカーイにみる制度と教派の展開」林行夫(編)『<境域>の実践宗教―大陸部東南アジア地域と宗教のトポロジー』京都大学学術出版会、235-304。
2009 「序文―大陸部東南アジア地域の宗教と社会変容」林行夫(編)『<境域>の実践宗教―大陸部東南アジア地域と宗教のトポロジー』京都大学学術出版会、1-23。
2008 「東北タイ仏教徒社会の時空間マッピング―寺院をめぐる<情報>とフィールドワーク」『アジア遊学(特集・地域情報学の創出)』113、勉誠出版、84-91。
2007 「東北タイ仏教寺院と社会移動の時空間マッピング―寺院類型・出家行動・ネットワーク(中間報告)」『「シンポジウム地域研究と情報学―新たな地平を拓く」講演論文集』CIAS、CSEAS、ASAFAS(京都大学)、25-36。
2006 「東北タイ農村の<都市仏教>の展開にみる制度と実践」林行夫編『東南アジア大陸部・西南中国の宗教と社会変容―制度・境域・実践―』(平成15-17 年度科学研究補助金・基盤研究(A)[1]課題番号15252003研究成果報告書)、pp. 213-281.
2006 ”Inter-Ethnic Relations in Perspective: A Case from Southern Laos.” Warasan Isan Suksa (Journal of Northeastern Thai Studies [Research Institute of Northeastern Art and Culture, Maha Sarakham University, Thailand])4(10): 13-30.
2005 「第二節タイ」文化庁編『海外の宗教事情に関する調査報告書』文化庁、53-93。
2005 ”New Japanese Scholarship in Cambodian Studies: Introduction.” Southeast Asian Studies(『東南アジア研究』)42(4): 387-393.
2005 「東南アジア大陸部―周縁化される人びとへの視座」林行夫・合田濤(編)『講座世界の先住民族(ファーストピープルズの現在)02東南アジア』明石書店、18-34。
2004 「魅する」大塚和夫・関一敏編『宗教人類学入門』弘文堂、199-211。
2004 「活きる<周縁>、揺らぐ<中心>―タイ系民族の国境域での仏教実践の動態」加藤剛編『変容する東南アジア社会-民族・宗教・文化の動態』めこん、143-200。
2004 「隠蔽される身体と<絆>の所在―制度宗教の表象とタイ仏教危機論」池上良正編『岩波講座宗教6(絆)』岩波書店、215-243。
2003 ”Reconfiguration of Village Guardian Spirit among the Thai-Lao in Northeast Thailand”. In Tannenbaum, Nicola and Cornelia Ann Kammerer eds., Founders’ Cults in Southeast Asia: Ancestors, Polity, and Identity. New Haven: Yale University Southeast Asia Studies, pp. 184-209.
2003 Practical Buddhism among the Thai-Lao: Religion in the Making of a Region. Kyoto and Melbourne: Kyoto University Press and Trans Pacific Press.
2003 「第8章 宗教」ラオス文化研究所編『ラオス概説』めこん、207-240。
2003 「第20章 東北タイとラオス」ラオス文化研究所編『ラオス概説』めこん、521-548。
2003 ”Forest Domesticated: Ethno-Religious Practice among the Thai-Lao.” In HAYASHI Yukio and Thongsa Sayavongkhamdy (eds.), Cultural Diversity and Conservation in the making of Mainland Southeast Asia and Southwestern China: Regional Dynamics in the Past and Present, Bangkok: Amarin Printing and Publishing, pp. 348-378.
2002 「『不純にして健全な・・・』―タイ仏教徒社会におけるカネと功徳」小馬徹編『暮らしの文化人類学5-カネと人生』雄山閣、152-178。
2002 ”Buddhism Behind Official Organizations: Notes on Theravada Buddhist Practice in Comparative Perspective.” in HAYASHI Yukio and Aroonrut Wichienkeeo (eds.), Inter-Ethnic Relations in the Making of Mainland Southeast Asia and Southwestern China, Bangkok: Amarin Printing and Publishing, pp. 198-230.
2001 「21世紀に羽ばたくタイの大学―グローバル化とローカルの知」『IDE―現代の高等教育(特集:アジアの大学に学ぶ)』430: 37-41.
2000 「現代タイ国における仏教の諸相―制度と実践の狭間で」総合研究開発機構(NIRA)・中牧弘允編『現代世界と宗教』国際書院、71-87。
2000 ”Weaving in the Region: Silk Textile among the Thai-Lao in Northeast Thailand.” In Sekimoto, Teruo ed. Handicrafts and Industrial Development in Southeast Asia. Tokyo: Institute of Oriental Culture, University of Tokyo, pp. 181-197.
2000 ”Spells and Boundaries: Wisa and Thamma among the Thai-Lao in Northeast Thailand.” In Hayashi, Yukio and Yang Guangyuan eds. Dynamics of Ethnic Cultures Across National Boundaries in Southwestern China and Mainland Southeast Asia: Relations, Societies, and Languages, Chiang Mai: Ming Mueang Publishing House, pp. 169-188.
→ http://coe.asafas.kyoto-u.ac.jp/research/sea/social/hayashi/Hayashi_Unnan_1
http://www.intute.ac.uk/socialsciences/cgi-bin/search.pl?term1=boundaries&limit=0
1999 ”Rup Laksana Mai khong Phi Khumkhrong Muban nai Mu Chao Thai-Laao nai phak tawanookchiang nua khong Prathet Thai.” Warasan Mahawitthayalai Maha Sarakham 17(1): 1-30.
1999 ”How Thai-Lao Dominancy was constructed in Northeast Thailand: From their Neighbors’ Point of View,” In Fukui, Hayao ed., The Dry Areas in Southeast Asia: Harsh or Benign Environment? Kyoto: CSEAS, Kyoto University. pp. 187-214.
1999 「南ラオス・アラック人の家屋から―離合集散する島宇宙」佐藤浩司編『住まいはかたる』学芸出版社、9-24。
1998 ”The Scope of the Inter-ethnic Relations in the making of Mainland Southeast Asia,” In Hayashi, Y., Inter-Ethnic Relations in the Maiking of Mainland Southeast Asia vol. 1: Papers presented at the ‘International Co-Workshop on the Projects of “Inter-Ethnic Relations in the Making of Mainland Southeast Asia (CSEAS, Kyoto University)” and “Social and Cultural History of the Tai Peoples (Chulalongkorn University),”‘ Bangkok: CSEAS, Kyoto University Bangkok Office, pp. 1-7.
1998 ”Differentiation and Involution of Ethno-Regional Lao Identity in Northeast Thailand and Lao P.D.R.” In Hayashi, Y., Inter-Ethnic Relations in the Maiking of Mainland Southeast Asia vol. 1: Papers presented at the ‘International Co-Workshop on the Projects of “Inter-Ethnic Relations in the Making of Mainland Southeast Asia (CSEAS, Kyoto University)” and “Social and Cultural History of the Tai Peoples (Chulalongkorn University),”‘ Bangkok: CSEAS, Kyoto University Bangkok Office, pp. 232-259.
1998 「『ラオ』の所在」『東南アジア研究』35(4): 78-109。
1998 「序文―東南アジア大陸部における『民族』と『地域』の生成」『東南アジア研究』35(4): 3-12。
1998 「カンボジアにおける仏教実践―担い手と寺院の復興」大橋久利編『カンボジア―社会と文化のダイナミックス』古今書院、153-219。
1997 「もうひとつの『森』―ラオ人とモン=クメール系諸語族の森林観から」『東南アジア研究』35(3): 541-557。
1997 「仏教の多義性―戒律の救いの行方」青木保編『宗教の現代』(岩波講座文化人類学11)岩波書店、79-106。
1997 「国教への道程―カンボジア仏教の再編をめぐって」『カンボジア研究』4: 211-253。
1996 「ラオ人社会をめぐる民族・国家・地域」林行夫編『総合的地域研究・東南アジア大陸部における民族間関係と「地域」の生成』(重点領域研究「総合的地域研究」成果報告書シリーズ26)京都大学東南アジア研究センター、30-78。
1995 「カンボジア仏教の復興過程に関する基礎研究」大橋久利編『カンボジアの社会と文化』カンボジア総合研究会、290-389。
1994 「東北タイの精神世界―モータムの語るもの」小野澤正喜編『タイ読本』河出書房新社、99-106。
1994 「カンボジアの迷走と仏教復興」『東南アジア研究』32(2): 139-141。
1994 「『まなざし』のなかの民族と異文化―南ラオス調査から」『民博通信』65: 33-41。
1993 ”Notes on the Process of Emigration in Search of Land (Ha Na Di) to MN Village, Udon Thani Province.” in FUKUI, Hayao, Food and Population in a Northeast Thai Village, Honolulu: University of Hawaii Press. pp. 352-369.
1993 「森林の変容と生成―東北タイにおける宗教表象の社会史試論」佐々木高明編『農耕の技術と文化』集英社、648-670。
1993 「モータムと『呪術的仏教』」安中章夫編『東南アジア―政治・社会(地域研究シリーズ6)』アジア経済研究所、256-292。【改訂再録】
1993 「ラオ人社会の変容と新仏教運動―東北タイ農村のタマカーイをめぐって」田辺繁治編『実践宗教の人類学―上座部仏教の世界』京都大学学術出版会、355-382。
1992 「再生する守護霊―タイの社会変化と宗教」『季刊アジアフォーラム』64: 20-24。
1991 「仏教儀礼の民族誌」石井米雄編『講座 仏教の受容と変容2(東南アジア編)』佼成出版社、127-161。
1991 「内なる実践へ―上座仏教の論理と世俗の現在」前田成文編『東南アジアの文化』(講座東南アジア学第五巻)弘文堂、93-123。
1991 「『王』・功徳・開発―現代タイ王権と仏教」松原正毅編『王権の位相』弘文堂、144-170。
1990 「西双版納における出家活動と村落の仏教組織」田辺繁治編『上座部仏教圏における宗教と社会―タイ・雲南・スリランカの比較研究』国立民族学博物館、87-119。
1990 「東北タイの『森の寺』と新仏教運動」田辺繁治編『上座部仏教圏における宗教と社会―タイ・雲南・スリランカの比較研究』国立民族学博物館、21-47。
1990 「ワーキング・ロイヤル―タイ現代王権の演出と民衆」『文藝』29(4): 274-279。
1990 「雨季を告げたソンクラーン」梅棹忠夫編『異文化での人間体験』石田パンリサーチ出版局、49-60。
1990 「村落宗教の構造と変容」口羽益生編『ドンデーン村の伝統構造とその変容』創文社、403-506。
1989 「ダルマの力と帰依者たち―東北タイにおける仏教とモータム」『国立民族学博物館研究報告』14(1): 1-116。
1989 「ラーオ系稲作村における互助規範と功徳のシェアの社会的意味―タイ上座部仏教の文化人類学的考察」『ソシオロジ』105: 65-86。
1988 「タイ村落宗教研究における『体系』と『現実』」『民博通信』42: 68-78。
1988 「国教の変容―タイ農村における『森の寺』をめぐる出家行動」『龍谷大学社会学論集』8: 101-132。
1986 「タイ仏教における女性の宗教的位相についての一考察」『龍谷大学社会学論集』7: 103-126。
1986 「東北タイ農村にみる度量衡」小島麗逸・大岩川嫩編『「はかり」と「くらし」―第三世界の度量衡』アジア経済研究所、72-78。
1985 「葬儀をめぐるブン(功徳)と社会関係」『東南アジア研究』23(3): 349-370。
1985 「開拓村(ウドンタニ県北モー村)訪問記」『東南アジア研究』23(3):280-294。
1985 ”A Temple, Rituals and World-View in Don Daeng,” in FUKUI Hayao et al. eds., The Second Interim Report/ A Rice-Growing Village Revisited: An Integrated Study of Rural Development in Northeast Thailand, Kyoto: The Center for Southeast Asian Studies, 242-259.
1984 「モータムと『呪術的仏教』―東北タイ・ドンデーン村におけるクン・プラタム信仰を中心に」『アジア経済』25(10: 77-98。
2009 (共訳)ピニット・ラーパターナーノン著「『開発僧』と社会変容―東北タイの事例研究」林行夫(編)『<境域>の実践宗教―大陸部東南アジア地域と宗教のトポロジー』京都大学学術出版会、307-358。
2009 (寄稿)『日本文化人類学会編・文化人類学事典』丸善
2008 (寄稿)『新版・東南アジアを知る事典』平凡社
2008 ”Mapping the Practices: Towards a Study of Theravadin in Yunnan in Comparative Perspective.” Summary of paper to be read at the 16th Congress of IUAES, Kunming, China (15-23 July).
2007 ”Locating Theravada Buddhist Practices: Temple/Hermitage and Wandering.” Area Studies, Then and Now: Proceedings of PNC and ECAI 2007 Annual Conference and Joint Meetings, Berkeley: University of California, p. 85.
2007 「戒厳令下のタイ(上)」 『京都新聞』連載「地域から読む現代―グローバル化の中で」(8月31日).
2007 「戒厳令下のタイ(下)」 『京都新聞』連載「地域から読む現代―グローバル化の中で」(9月7日).
2004 (寄稿)『文化人類学文献事典』弘文堂
2004 (寄稿)『歴史学事典11―宗教と学問』弘文堂
2000 (寄稿)『世界民族事典』弘文堂
1998 (共著)『ブッダ-大いなる旅路2』日本放送出版協会
1997 (共著)『民族学ア・ラ・カルト-みんぱくゼミナールの20年』国立民族学博物館
1997 (寄稿)『東南アジアの風土事典』弘文堂
1995 (寄稿)『世界民族問題事典』平凡社
1995 (共著)『もっと知りたいラオス』弘文堂
1995 (共著)『もっと知りたいカンボジア』弘文堂
1994 (共著)『タイ読本』河出書房新社
1993 (寄稿)『タイ事典』同朋舎
1992 (共著)『木の実の文化誌』朝日新聞社
2007 ”Locating Theravada Buddhist Practices: Temple/Hermitage and Wandering.” Paper read at ‘Area Studies, Then and Now, PNC and ECAI 2007 Annual Conference and Joint Meetings,’ held at University of California, Berkeley (18-20, October).
2007 「東北タイ仏教寺院と社会移動の時空間マッピング―寺院類型・出家行動・ネットワーク」(2月9-10日「シンポジウム―地域研究と情報学」(於:京都大学記念塔/東南アジア研究所、地域研究統合情報センター、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科共催)
2006 パネル「変容する上座仏教徒社会―<境域>からみる制度と実践」(5人による発表)主催
趣旨説明 「変容する上座仏教徒社会―<境域>からみる制度と実践」
個人発表 「東北タイ農村における<都市仏教>の展開」(いずれも6月10日、第75回東南アジア史学会大会、名古屋大学)
2005 ”Recent Development of “Urban Buddhism” in Northeastern Thai Villages.” CSEAS Colloquim (Dec. 15. CSEAS, Kyoto University)
2004 「<タイ仏教の危機>とは?―制度と実践のなかの<僧界>と<俗界>」共同研究会「支配と制度」(2月16日、京都大学東南アジア研究所)
2003 ”Theravadins across National Boundaries: Practices at Interstitial Region.” COE International Workshop on the ‘Inter-Ethnic Relations in the Making of Mainland Southeast Asia and Southwestern China ‘under the Globalization’.” (Oct. 30, CSEAS, Kyoto University)
2002 ”Forest Domesticated: Ethno-Religious Practice among the Thai-Lao and their Neighbours.” COE International Workshop on the ‘Cultural Diversity and Conservation in the making of Mainland Southeast Asia and Southwestern China: Regional Dynamics in the Past and Present.’ (Feb. 20, Luang Prabang, Lao P.D.R.)
2001 「東南アジア大陸部人の<優生学>」共同研究会「『人種』の概念と実在性をめぐる学際的基礎研究」(5月18日、京都大学人文科学研究所)
2001 ”Buddhism without Institutions: Notes on Theravada Buddhist Practice in Comparative Perspective.” COE International Workshop on the ‘Inter?Ethnic Relations in the Making of Mainland Southeast Asia and Southwestern China.’ (Mar. 24, Chiang Rai, Thailand)
2000 「実践仏教文化史の試み―東南アジア大陸部・西南中国における地域間比較から」東南アジア史学会関西例会(9月16日、大阪市立大学文化交流センター)
1999 ”Weaving in the Region: Silk Textile among the Thai-Lao in Northeast Thailand.” International Symposium on the “Handicrafts and Industrial Development in Southeast Asia.” (Nov. 12, International House, Tokyo)
1999 “Spells and Boundaries: Wisa and Thamma among the Thai-Lao in Northeast Thailand.” COE International Workshop on the “Dynamics of Ethnic Cultures Across National Boundaries in Southwestern China and Mainland Southeast Asia: Relations, Societies, and Languages.” (Oct. 17, Kunming, P.R. China)
1999 「東北タイの絹織物産業-『郷土工芸文化』と地域」第33回日本民族学会研究大会(5月30日、東京都立大学)