村上　勇介

むらかみ ゆうすけ
村上 勇介　 MURAKAMI Yusuke
地域研究統合情報センター・准教授

［2011年6月7日更新］

専門分野

ラテンアメリカ地域研究、政治学

研究内容

　1970年代後半からの「民主化」以降のラテンアメリカにおける政治体制とその変動について、従来の研究では出発点として注目されることがなかったペルーの事例を機軸として新たな比較分析を提示することを目標に調査研究を実施しています。具体的には、マクロとミクロのレベルにおいて次のような3種類の調査研究を行ってきています。
　まず、比較の枠組構築のためのペルー政治のマクロ的分析です。ペルー政治の歴史的、構造的特徴やその変化と持続、フジモリ政権（1990-2000年）やその後の政治動向分析が主なテーマです。そして、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ベネズエラのアンデス諸国をはじめとする他のラテンアメリカ諸国との比較を試みています。
　第二に、前述のマクロ分析を検証するために、ミクロレベルでの政治過程を細かく調査分析しています。フィールドはペルー中部のアンデス高地にあるアヤクチョ県ワンタ郡で、主に地方選挙をめぐる過程を1998年以降継続してきています。
　第三に、政治に関わる人々に分析の視角を移し、その意識を調査対象とする研究です。アンケート調査の実施と、政治社会運動への人々の関わり方に関する研究を通じて考察を行ってきています。

略歴

筑波大学大学院地域研究研究科修士課程修了。在ペルー日本国大使館専門調査員、国立民族学博物館地域研究企画交流センター助教授などを務める。 2006年より現職（2007年より准教授）。筑波大学博士（政治学）。

主要業績

2007 Perú en la era del Chino: la política no institucionalizada y el pueblo en busca de un salvador. Ideología y política 27, Lima: Instituto de Estudios Peruanos y Center for Integrated Area Studies, 715p.
2004　『フジモリ時代のペルー─救世主を求める人々、制度化しない政治─』平凡社 586ページ。
2004　Sueños distintos en un mismo lecho: una historia de desencuentros en las relaciones Perú-Japón durante la década de Fujimori. Ideología y política 20, Instituto de Estudios Peruanos y The Japan Center for Area Studies, 161p.
2000　La democracia según C y D: un estudio de la conciencia y el comportamiento político de los sectores populares de Lima. Urbanizacin, migraciones y cambios en la sociedad peruana 15, Lima: Instituto de Estudios Peruanos y The Japan Center for Area Studies, 225p.
1999　El espejo del otro: el Japón ante la crisis de los rehenes en el Perú. Ideología y política 12, Lima: Instituto de Estudios Peruanos y The Japan Center for Area Studies, 178p.